目利きたちを魅了してやまない
李朝の道具
ソバン 十二角板膳2
ソバン(小盤)=李朝時代に発達した足付きの1人用の小さなお膳。
食事を運び、かつ食べるというなんとも合理的なくらしの道具です。こちらの脚がなく天板のみの状態の板膳をご紹介します。
この天板の12角形は忠州地方でよく使われていたチュンジュバン。きっと虎か狗のデザインの足がついていたと思われます。
木目が詰まり堅い松の木で作られた十二角の板膳。
艶が全くなく派手さはありませんがこの朽ちた感がかえって魅力を放ちます。きっと最初は光沢感のある漆が施されたのでしょうが、市民の暮らしの中で使いこまれ何度も何度も水拭きされ手を入れられた印象です。
漆のはがれや傷や欠け、補修の跡が見られます。大切に使い続けた証だと思います。
また裏面をみますと亀裂や割れが見受けられますことご了承ください。
テーブルの側において食べ物や飲み物をおかれトレーとしても…
また敷板として香炉や花器などをディスプレイするのも素敵です。
厚みが2.7cmとかなりありますので重厚感があります。天板と少し高いフチの間にところどころ黒くなっていますが、これは人の手に掴まれ使い続けた「手ずれ」の跡です。目利きたちはこれを「馴染み」と呼んで尊び、愛用しました。
大木を切り、板にし、削りカタチを作りそして漆を塗る。
使い込まれた証の傷までもが愛おしく感じられます。ずっとそばに置いてください。
「用の美」…使われてこそ美しい。現代まで息づく李朝の道具はいくつもの時代を見つめてきたからこそ、輝き続け、これからも私たちを魅了してやまないことでしょう。
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□ アンティーク
□ 素材:松
□ サイズ:Φ400×H270mm
無垢家具は生きています。
強い光に長時間さらされると、変色や塗装の原因になりますので、なるべく常時直射日光があたりにくい場所に設置してください。また極端な乾燥や湿気の多すぎる場所でのご使用も無垢木に変化を与えてしまいます。
日頃のお手入れは乾拭きか硬く絞った布で、艶を出したい時は家具専用オイルを布に含ませ拭くと美しい状態を保てます。